重岡くんが「ありがとー!」って言うから生きようと思う

2016年4月3日、わたしは仙台にいた。利府駅に向かう二両編成の小さな電車に乗り込むと、キラキラした女の子たちでいっぱいだった。目的は同じで間違いない。ジャニーズWESTのツアー「ラッキィィィィィィィ7」のオーラス公演。

 一人で新幹線に乗るのも、一人でこんなに遠出するもの、一人でコンサートに行くのも初めてで少し不安だったけれど、行くしかないと思って半ば衝動的にここまでやってきてしまった。

 

コンサートは最後の公演だったからなのか、私の気持ちが作用したのか、とにかくなんだかものすごいパワーだった。特にEternalは圧巻で、7人が本当に命を燃やしすぎて目の前からいなくなってしまうのではないかと不安で、つい拳を固く握り締め、息を呑んで見つめてしまった。そのあとの曲がズンドコパラダイスで本当によかった。

 

コンサート本編はもちろん最高だったけれど、わたしの脳裏に焼き付いて今でも離れないのがアンコールの重岡くんの姿だ。重岡くんは「ありがとー!!」と叫びながら、ひたすらに会場中を走り回っていた。端から端まで、何周も何周も。疲れているはずなのに、2時間も踊って歌ってきたなんてことを微塵も感じさせないほどのパワーだった。そんな重岡くんが眩しすぎてクラクラした。

重岡くんの「ありがとー!!」はわたしだけに向けられた言葉ではないけれど、でもたしかに自分にも向けられた言葉なんだと思ったら、単純にここまできてよかったな、重岡くんのファンでよかったな、と思えた。

 

コンサートから遡ること数日。わたしは新しい環境に不安を覚えていた。先の見えない真っ暗なトンネルに放り込まれたような気分の中、ジャニーズWESTに会いに行ったら何かあるかもしれないと思い、気づいたら宮城まで行くことを決意していた。今でも、自分の行く先がわからずに不安に思うことがある。だけどあの、会場を走り回っていた重岡くんのパワーと眩しさの記憶がわたしを明るいところまで引っ張り出してくれていて、生きていけそうな気持ちにさせてくれている、と思う。

 

重岡くん、ありがとうって言ってくれてありがとう。重岡くんの一言一言に救われている人がどれだけいるのか、重岡くんは知らなくたっていい。でも、重岡くんが「ありがとう」って言ってくれるから、わたしは今日も1日生きようと思います。